オフィスの情報戦略、顧客対応の要としてなくてはならないのが”ビジネスフォン”。スマホ(法人携帯)が普及してきた現在においても、ほとんどのオフィスがビジネスフォンを導入しているほど。導入していないのは稀とされるほとです。
それほど重要なビジネスフォンだからこそ、オフィスに合わせた設備を導入したいもの。というのも、ビジネスフォンと一括りにしていますが、メーカーや機種など選択肢の幅が広いのです。なんとなくで導入してしまうと、後悔してしまうことに。
そこで、今回はビジネスフォンのシェア・ランキングとしてメーカー、機種に分けておすすめをご紹介しましょう。また、ビジネスフォンを選ぶポイント、業者探しのコツなどもまとめています。ぜひビジネスフォンを選ぶときの参考にしてみてください。
ビジネスフォンはオフィスの情報戦略には欠かせない設備の1つです。しかし、必要な設備にもかかわらず、ビジネスフォンを正しく理解している方は意外と少ないもの。そこで、ビジネスフォンとはどのような設備なのか、基本をご説明します。
ビジネスフォンとは”主装置”と”内線電話機”によって構成される通信設備の一種。ビジネスフォンの1番の魅力は”複数の外線を、複数の内線電話機で共有できる”ということ。外線数と電話機は必ずしも同数である必要はありません。
つまり、外線数が5番号(チャネル)に、内線電話機が10台だったとしても問題なく導入できるということ。ビジネスでは複数の顧客から、同時に着信することはよくあること。もし家庭用電話機であれば、1人の顧客しか対応できません。
だからと家庭用電話機を複数取り付けたのでは、維持にも管理にも余計なコストがかかってしまいます。その点、ビジネスフォンであれば主装置1台に、外線と内線電話機の必要数を導入するだけと。コストも使い勝手もいいのです。
先述した通り、ビジネスフォンの設備には”主装置”と”内線電話機”の大きく2つがあります。特に、主装置はビジネスフォンにとって重要な役割を果たしているもの。では、ビジネスフォンの主装置と内線電話機の仕組みを見て行きましょう。
主装置とは”構内交換機”とも呼ばれ、複数の外線と内線電話機を収納し、必要に応じて通信を内線電話機に振り分ける機能があります。つまり、一部の内線電話機が使用中でも、待機中のものに自動で振り分けられるということ。
また、構内交換機と呼ばれるだけあり、オフィス内での内線の中継地点としての役割も。主装置があることで内線電話機間での通話はすべて”内線”として。外線を使用しないので通話料はかからず、通信費をグッと抑えられます。
内線電話機とは”多機能電話機”とも呼ばれ、外線や保留などの基本機能に加え、内線や転送などビジネスフォンならではの機能を使うことができます。内線電話機ごとに”内線番号”が振られ、その番号にかけることで内線通話が。
また、最近では”クラウドやスマホとの連携”がトレンドです。スマホから内線電話機に、内線電話機から顧客に自動で発信したり。ネットワークカメラと連動して、外部からオフィス内を確認したりなど。まさに”多機能”な電話ということです。
ビジネスフォンとよく間違われる設備に”PBX”というものも。正直、”ビジネスフォン=PBX”と思っていても明らかな間違いではありません。しかし、厳密にはちょっと違うもの。そこで、ビジネスフォンとPBXの違いについてご紹介しましょう。
ビジネスフォンとPBXでもっとも異なるのは”主装置の容量”です。
というのも、ビジネスフォンは1カ所または2,3拠点を想定して設計された設備です。対して、PBXは2,3拠点から10拠点以上までを想定して設計されています。つまり、ビジネスフォンとPBXでは設計からの容量に大きな差があるということ。
小規模や中規模オフィスであればまずビジネスフォンの容量で十分です。反対に、大規模オフィスやコールセンターなど、電話機の台数が多いならPBXに。”主装置にどこまでの容量を求めるのか”は、ビジネスフォンを選ぶ上でも重要です。
ビジネスフォンとPBXで異なると言えるのは”工事・保守費”もです。
先述した通り、ビジネスフォンとPBXでは主装置の、対応するオフィスの規模が異なります。ビジネスフォンだと2,3拠点まで、内線電話機も300台まで。PBXだと10拠点以上にも、内線電話機も1,000台以上にも対応しています。
然、規模が大きくなれば工事費は、その後の保守費も高くなります。つまり、ビジネスフォンに比べて、PBXは工事・保守費が高くなりやすいということ。必要な台数に、オフィスの規模に合わせてというのもビジネスフォン選びのポイントです。
冒頭で紹介した通り、ビジネスフォンはオフィスの情報戦略には欠かせない設備です。事実、ビジネスフォンの国内シェアは年間400億円弱とされるほど。では、ビジネスフォンのシェア・ランキングとして、おすすめメーカーを見ていきましょう。
3位にランクインしたのは”SAXA(サクサ株式会社)”。SAXAから海外メーカーのようなネーミングですが、田村電気製作所と大興電機製作所が2004年に合併しでできたメーカー。意外にもれっきとした日本メーカーの1つなのです。
SAXAのビジネスフォンは、”デザイン性が高い”ことで人気を集めています。最近はおしゃれ志向のオフィスが多くなってきました。一見するとカフェやレストランのようなオフィスまで。そんなおしゃれなオフィスには、SAXAはおすすめと言えます。
2位にランクインしたのは”NEC”。日本人なら誰しも知っている、まさに日本を代表する電子機器メーカーです。NECの製品はビジネスフォンだけでなく、パソコンやタブレット、サーバーやネットワーク機器、蓄電池など多岐に渡ります。
NECのビジネスフォンは、”大規模な運用に向いている”ということです。内線電話機の待機時間に合わせて、設定しておいたオペレーターのスキルに合わせて外線を振り分けたりなど。コールセンターにも使える機能が充実しています。
1位にランクインしたのは”NTT(日本電信電話株式会社)”。名前にある通り、日本最大の電話通信事業を提供するメーカーです。「電話といえばNTT」と言われるほど、日本の通信事業においてもっとも影響力があるのは確かでしょう。
NTTのビジネスフォンは小規模から中規模、大規模に至るまで幅広く対応できるということ。というのも、NTTでは他メーカー品にブランド名を載せて提供しています。つまり、幅広いメーカー品を取り扱っているからこその対応力なのです。
ビジネスフォンのメーカーのシェア・ランキングでは1位がNTT、2位がNEC、3位がSAXAとのこと。どれも日本メーカーというところが、日本の技術力の高さが伺えます。では、ビジネスフォンのシェア・ランキングとして新品編をご紹介しましょう。
ビジネスフォンのシェア・ランキング3位なのがNTTの”αA1”。
新品価格:450,000円〜/3台
中小企業を想定して設計されたビジネスフォンで、豊富な機能性が特徴です。例えば、外出先でもオフィスにいる感覚で、スマホから応答できる”スマート光 ビジネスUC”に。名刺などの顧客情報を社内で情報共有できるシステムなども。
ネット環境さえあればどこからでも、社員の退勤状況を確認できる”プレゼンス”。どこで活動しているのかを確認できる”位置情報確認”などもあります。複数の設備、機能を1つに集約できるのは中小企業には嬉しいポイントでしょう。
ビジネスフォンのシェア・ランキング2位なのがHITACHIの”integral-F”。
新品価格:304,000円〜/3台
先述したメーカーのシェア・ランキングではランク外だった”HITACHI(日立製作所)”ですが、ビジネスフォンの新品部門では人気のあるメーカーです。特に、integral-Fの内線電話機は、多機能ながらもコンパクト設計なことが特徴。
防水仕様、ポケットサイズのコードレス子機。IP対応(インターネット対応)のタイプもあるなど、様々な環境に対応できラインナップが豊富です。オフィスだけでなく、飲食店や病院などの様々な施設に導入されるほど人気を集めています。
ビジネスフォンのシェア・ランキング1位なのがSAXAの”PLATIA Ⅱ”。
新品価格:328,000円〜/3台
デザイン性の高さに定評のあるSAXAならでは、シンプルかつスマートな設計でどんなオフィスにも安心して導入できます。”マルチラインシステムコードレス電話機”にも対応していて、エリア内であれば最大200mまで内線通話が可能です。
また、スマホとの連携を強化しているのもPLATIA Ⅱならではです。スマホに専用アプリ”MLiner”をインストールするだけ。スマホからビジネスフォンに、顧客に発着信が。万が一、全員が外出中だったとしても顧客を待たせることはありません。
予算に余裕があるのなら、新品のビジネスフォンを選ぶのがいいでしょう。しかし、中小規模になるとどうしても予算に限りがあるもの。であれば、中古も選択肢に入ります。では、ビジネスフォンのシェア・ランキングとして中古を見ていきましょう。
ビジネスフォンのシェア・ランキング3位なのがNTTの”αNXⅡ Plus”。
中古価格:31,500円〜/3台
すでに製造中止にまでなった機種ですが、その”操作性の高さ”からいまだに人気は高いです。また、内線電話機だけでなく、主装置にも3タイプまでの選択肢が。オフィス環境に、事業内容に合わせてカスタマイズできるのも魅力の1つ。
中古ビジネスフォンには珍しい”バックアップ機能”も標準で搭載。万が一、トラブルが発生してもデータ、機能をある程度は保持できます。スマートフォンの内線化にも対応しているので、コストも使い勝手もいい機種としておすすめです。
ビジネスフォンのシェア・ランキング2位なのがSAXAの”Agrea HM700Ⅱ”
中古価格:22,500円〜/3台
中古ビジネスフォンではありますが、最新機種と比較しても遜色ないほどコンパクトでスタイリッシュなデザインをしています。にも関わらず、液晶画面は大きくて見やすく、キー(ボタン)にはユニバーサルデザインが採用され使いやすいです。
ちなみに、本体カラーはホワイトとブラックの2色。さらに、ブルーやワインレッドなど、標準で3種類の着せ替えシートが付いてきます。シンプルなホワイトで統一してもよし、受付や社長室だけシックな色合いにしてもよしとおしゃれな機種です。
ビジネスフォンのシェアランキング1位なのがNTTの”αNX Plus”。
中古価格:18,000円〜/3台
先述したαNXⅡ Plus(NTT)の前の機種ですが、中古部門で1位になるほど人気です。古い機種なだけに中古価格が安いのと、”フレッツ光ネクスト”に対応して通話料を抑えられるなど。コストダウンに効果的なのが人気のヒミツ。
その上、大画面の液晶を使用しての”テレビ電話”、誰でも操作しやすい設計が取られているなど。小規模から中規模オフィス向けなのもポイント。少しでもコストを抑えたいのなら、基本的な性能で十分ならぜひチェックしたい機種です。
ビジネスフォンのシェア・ランキングとしてメーカーから始まり、新品や中古のおすすめ機種までご紹介してきました。しかし、中には「何を基準に選べば?」という方も多いはず。そこで、ビジネスフォンを選ぶ3つのポイントをご説明しましょう。
まず、ビジネスフォンを選ぶポイントとしては”内線電話機の台数”です。
というのも、ビジネスフォンは機種によって、主装置によって収容できる内線電話機の台数に限りがあります。1,2台しか収容できない小規模オフィス向けから、10,20台まで収容できる中規模向け。100台以上も収容できるものまで。
ちなみに、内線電話機の台数は”デスクの数+会議室などの数”でおよそ決まります。例えば、デスクが10台に会議室が2室だとしたら、内線電話機は12台を基準に。あとは社員の役割、事業内容なども考慮して決めるのがいいでしょう。
ただし、内線電話機の台数というのは将来的に変化するものです。事業規模が拡大すれば社員も、必要となる内線電話機の台数も増えます。将来的に台数が変化する、増加するものとしてちょっと多めに想定しておくとなおいいです。
次に、ビジネスフォンを選ぶポイントとしては”外線数(チャネル数)”です。
外線数(チャネル数)というのは、NTTなど通信事業者と契約している電話回線(電話番号)の本数のこと。外線数が1本であれば1人と、2本であれば2人の顧客と同時に通話できます。外線数以上とは同時通話できないのです。
外線数については”社員数の3分の1程度”を目安にするのが一般的です。例えば、社員数が10人であれば、外線数は3,4本ということ。普段のオフィス内にどれだけの社員がいるのか、対応できる社員数も考慮すると決めやすいです。
外回りの社員が多いオフィスであれば、通常よりも少ない外線数でいいこともあります。顧客対応は外回りの社員が、スマホやケータイからできるため。主装置によって収容できる外線数にも差があるので、ちょっと多めに想定すると安心です。
最後に、ビジネスフォンを選ぶポイントとしては”搭載されている機能”です。
ビジネスフォンと一括りにしていますが、メーカーや機種によって設計思想はもちろん、搭載されている機能にも違いがあります。使いやすさを重視してシンプル設計なものや、多機能性を重視して様々な最新機能を搭載したものなども。
「これだけは」と思う機能からピックアップしてみましょう。また、ビジネスフォンに求める役割、用途を明確にしてみると必要な機能が見えてきます。せっかくビジネスフォンを導入しても、必要な機能がないのでは便利に使うのは難しいです。
しかし、ビジネスフォンの選択肢は広く、一般の方が正確に比較するのは難しいもの。そこで、およその内容が決まったのなら、”専門の業者”に相談してみましょう。業者には幅広い知識が、要望に合わせた最適な1台を提案してくれます。
ビジネスフォンを選ぶポイントは”内線電話機の台数”に”外線数(チャネル数)”、”搭載されている機能”の3つを意識すること。ただし、一般の方が正確に比較するのは難しいもので、いかに”信頼できる業者”を選ぶかが鍵となります。
信頼できる業者を選びたいのなら、まず”相見積もり”で比較しましょう。
相見積もりというのは、”条件を揃えて複数社から見積もりを取る”ことです。条件を揃えることがポイントで、価格設定やサービス内容を比較しやすくなります。特に、中古ビジネスフォンは業者ごと価格設定に違いがあり比較は重要です。
また、気に入った業者との価格交渉に、相見積もりの情報を利用することも。あくまで相見積もりは第一段階で、さらに交渉するのがいいです。少なくとも2社から、余裕があれば近場と遠方を合わせて4,5社からとると正確に比較できます。
”設計の詳しい説明があるか”というのも、信頼できる業者を選ぶのには重要です。
正直、一般の方でビジネスフォンに詳しいというは稀です。大抵は業者任せ、業者の営業担当に言われるがままメーカーや機種、工事内容を決めてしまいます。もちろん、すでに信頼している業者であれば、丸投げしても大丈夫です。
しかし、信頼できる業者を探しているのなら、どう信頼させてくれるのかを見たいところ。素人にも分かりやすくて、聞きたいけど上手く聞けない部分まで丁寧に説明してくれるか。設計内容の理由まで説明してくれる業者には交換が持てます。
信頼できる業者を選ぶのなら、”アフターフォローの範囲”についても確認したいところ。
ビジネスフォンは導入して、工事して終わりではありません。むしろ導入してから、工事してからどう運用していくかが重要です。将来的に社員が増えれば内線電話機の増設も、オフィス環境によってビジネスフォンの形態も変化していきます。
また、ビジネスフォンは精密機器なので定期的に点検し、整備しないとトラブルのもとに。情報戦略の要であるビジネスフォン、たった1日でも使えないと大きな損失につながります。アフターフォローまでしっかり対応してくれる業者を選びましょう。
今回は、ビジネスフォンのシェア・ランキングとしてメーカー、新品や中古など機種ごとに分けてまとめてみました。ビジネスフォンはオフィスの情報戦略、顧客対応には欠かせないもの。十分に考慮した上で、メーカーや機種を選びたいものです。
メーカーのシェア・ランキングは以下のように。
新品のシェア・ランキングは以下のように。
中古のシェア・ランキングは以下のように。
ビジネスフォンを選ぶポイントは”内線電話機の台数”と”外線数(チャネル数)”、”搭載されている機能”の3つです。これらを意識した上で、信頼できる業者に相談を。紹介した内容を参考に、オフィスに合わせた1台を検討してください。